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手紙

  • keioguri2015
  • 2018年10月25日
  • 読了時間: 1分

僕には手紙を出してコンタクトをとる友達がいる。

相手は都心に住む60代?の女性、実力派のミュージシャン。

この方はこのご時世PCを使わず携帯も持たないで暮らしているが、 困ったことに

体調や精神状態によっては自宅の電話も取らない。

よって用事がある時は手紙を送るしか手段がない。

一つの事柄を通信し合うのにだいたい一週間はかかる。

彼女とはよく音楽の話をするので、たまに共有したい音源がある時、 僕はディスクに

オーディオ音源を焼き、盤面にスタンプで情報を書き込み、 手紙と一緒に郵送する。

いまだに張りのある真っ白い紙に黒いインクで字を書くことにはすこし覚悟がいるし、

字がきれいではないので恥ずかしさも残る。雑な作業は失礼な印象を与えてしまうし。

たった一人の人に対して色々と気を使いながら覚悟を決めて、ほんの少しのことを伝える。

投函し終えると毎回ひらきなおって、大した時間や手間でなかったことに気づき、

この一連の作業をやる気になったことと時間に、すこしだけ幸せな気持ちになる。

oguri kei


 
 
 

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