Avishai Cohen Trio
- keioguri2015
- 2017年10月20日
- 読了時間: 2分
昨夜Avishai Cohenというイスラエル出身でアメリカ合衆国在住のジャズベーシストのtrioライブを観にBulue Note Tokyoへいってきた。
Avishai Cohenの楽曲は変拍子を用いていながらもシンプルに削ぎ落としたリフを何度も繰り返す中で少しずつ変化していくメロディーやアンサンブルだけで独創的なストーリーを展開させる。
静かにはじまるイントロからもっともエキサイトするソロのピークまでずっと透明感をもちながら大きくゆったりとした波ができる。
jazzトリオでベースがリーダーの場合、ピアノや他のリード楽器に曲の広がりを任せるケースが多いが、Avishai Cohenのトリオは終止ベースが主体になっているというのがおもしろい。ステージの真ん中におおきなアコースティックベースを持ってゆらゆらプレイしている姿は凄まじい存在感をもつが、確実にベースのうねりは全体を包み込んでいた。
一見よくないように聴こえるかもしれないが、ピアノとドラムはAvishai Cohenの創る楽曲に束縛されていて、その中で自由になることがすごく難しそうに感じる。
簡単な規則の中で3人がフリーな即興演奏をまわし続けているわけではない。
ベースが大きな支配力をもっていてそれに従った透明なピアノとタイトなドラムス。というバランスがおそらく一般的なjazzトリオにはない唯一無二の世界になるのだと思う。
指で弾くベースの音はハイトーンまで図太くて、音の詰まったソロも同じ粒で鳴らし続けることができるのが肉体的にも僕が想像出来るウッドベースのプレイを超越していた。
ベースソロが終わると観客は止めてた息をファーっと解き放つような歓声が起こる。
新しいことを実験的にぐいぐい盛り込むということではなく、音の世界観がjazzという大きな枠の中にギリギリにあって、こんなこと初めて体感したとおもわせるバランスで作品になっていることがすごいと思う!
アンコールでピアノを弾きながら独りで歌っているAvishai Cohenもまるで自分の部屋の中にいるようなピースフルな雰囲気で、そこだけ切り取ったようなリラックスした時間がほほえましかった。
oguri kei
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